川越・東松山民主商工会“はつかり道場”の紹介 

貧困と格差の広がりの中での立上げ》

バブルがはじけ日本経済が低調な時代になり、同時に国民に負担を負わせる政治が押し付けられる中で貧困と格差が問題になって来ました。

川越民商には商工ローン、サラ金、ヤミ金などの被害者、いわゆる多重債務者から相談が相次いで寄せられました。こうした中で、弁護士などと連携しながら手探りで、解決の道を探りました。そして7年前に“はつかり道場”を立ち上げました。このころには全国各地でも、こうした動きが起き“道場”は多重債務者が再起の道を見出していく場になっています。

困ったときの拠りどころ》

 景気がいいときに事業資金を借り商売を伸ばし、住宅ローンを組んで住宅を購入した。バブルがはじけて返済のメドが立たなくなり、手軽に借りられる商工ローンやサラ金などから借り入れして何とかしのぐ、ところがいずれも高利なのでたちまち返済ができなくなり、また、他から借りるという悪循環(借金地獄)に落ちいります。そんな時に、「お金を借りませんか」とヤミ金業者が声をかけてきます。ヤミ金から借りると返済ができないばかりか、過酷な取立てが押し寄せてくるのが一般的な流れです。
その結果財産をすべて失い命を断つ人が出る程で社会問題にもなったのです。川越民商が立ち上げた“道場”では、相談に来て解決した人が、次に相談に来た人の相談にのることで、解決のノウハウを伝承し積み重ねてきました。今では「解決のできない問題はない」頼りになる存在になっています。 

 
 
   《道場の相談から》

 先日多重債務の相談で訪れたMさん(建設業)は大手の金融業者から借りているから「安心」の様な口ぶりで、借り入れ先の金融業社名を上げます。紛れもないサラ金業者6社でした。借入額は総額で300万円を超へています。金利はどれも30%近いので年間の利息は100万円ぐらいになります。困っているMさんにとって、返済は不可能な額です。実際は借金地獄の「リッパな被害者」なのです。でも問題は「大手だから安心」といった感覚になっていることです。

 先日行われたフィギュアスケート世界選手権、スウェーデン開催で、日本の浅田選手が優勝しました。あのスケートリンクに「アコム」と大書されていました。水泳や柔道でも同様の光景が見られました。また主要な駅頭でも、見渡すとサラ金の看板が目につきます。テレビのコマーシャルでもゴールデンタイムに堂々と登場してきます。昔から「高利貸し」はあったが世の中の端の方で、ヒッソリとやっていたように思います。それが表に出てきて、「大手だから安心」と思わせることが大問題です。

 “道場”では被害者であることを、自覚できるよう説明します。同時に、自らの暮らしや商売にしかり向き合い、弱点も明らかにし解決の方向を示せるようアドバイスしています。

銀行がサラ金にお金を貸して利鞘を稼ぎ、サラ金が高利で困っている人を標的に儲ける。「金利を下げろ」と世論が高まると金融業界から政治資金をもらっている政治家が反対します。コマーシャルは安心感を与え、弱いものいじめの目隠しの役張りを担っているのです。




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